2009年は政権交代が実現し、
「事業仕分け」という言葉が流行するくらい、予算の大規模な見直しがなされました。
文化行政においても例外ではなく、あちこちから予算削減の声が聞こえてきます。


大きく時代が変わり、
オーケストラを取り巻く環境が、今、間違いなく変化しようとしています。


日本のオーケストラの今後を難しく語るつもりはありません。
ただ、私が確信しているのは、
オーケストラは、良質な「音楽エンターテイメント」であるという事なんです。


オーケストラが表現できるものは、
決してクラシック音楽だけではなく、他にもいろいろあります。
映画音楽、ドラマの音楽、ゲーム音楽、ポップス、ジャズなどなど、
さまざまな音楽に対応可能な、素晴らしい演奏形態です。


2009年、各地で実現した、
オリジナル・シネマ・サウンズ(O.C.S.)の楽譜を使用したコンサートでは、
多くのお客様がその映画の記憶を呼び起こすサウンドに、
たくさんの拍手を送って下さいました。
また、2006年から毎年行っているゲーム音楽コンサート「Press Start」にも、
とても多くのお客様が来て下さいました。


「クラシック音楽を広める事」と「オーケストラ・ファンを増やす事」は、
決してイコールではありません。


この根本的な発想を転換すれば、
オーケストラ音楽の楽しみの可能性は、
まだまだ十分開拓の余地が残されている気がしてなりません。


コンサートホールではないところ、
たとえばホテルでのオーケストラ演奏(現在、企画運営中)など、
今までにない活動もきっと今後は必要になってくると予想されます。


これからの時代を決してマイナスに捉えることなく、むしろ前向きに、
オリジナル・シネマ・サウンズ(O.C.S.)の益々の充実と、
より幅広いオーケストラ活動を目標に、頑張ろうと思っています。




どうぞ今後も、オーケストラ・サウンドの素晴らしさを、お楽しみ下さい!

竹本泰蔵(2009年12月記)