「風と共に去りぬ」でおなじみの作曲家マックス・スタイナー、
「ドクトル・ジバゴ」や「アラビアのロレンス」のモーリス・ジャーレ、
「ゴッドファーザー」のニーノ・ロータなどは、現在、「映画音楽の作曲家」として知られています。

しかし、マックス・スタイナーの名付け親は、あのクラシックの大作曲家、R.シュトラウスですし、
モーリス・ジャーレは、パリ音楽院で作曲と打楽器を専攻、作曲をA.オネゲルに師事し、
パリ音楽院管弦楽団のティンパニ奏者と しても活躍した人です。
また、ニーノ・ロータは交響曲などの純音楽も作曲し、
たびたびクラシックの演奏家に取り上げられていることは、周知のことだと思います。
他にも「荒野の七人」のエルマー・バーンスタインは、A.コープランドに師事しましたし、
「エデンの東」のレナード・ローゼンマンの先生は、
なんとあの、現代音楽家の巨匠、A.シェーンベルクです。

このように、「映画音楽」ということで見過ごされてしまっている「隠れた大作曲家」の作品を、
原曲の楽譜をできる限り参照し、ライヴ演奏で可能なように最小限の変更を施し、
その本来の姿を、クラシック・オーケストラの華麗なサウンドの中によみがえらせた楽譜が、
この「オリジナル・シネマ・サウンズ(O.C.S.)」のシリーズです。

数年前、幸いにもキングレコードより発売中のCD「SymphonicFilmSpectacular」シリーズの多くを
指揮させていただく機会があり、そのオリジナルスコアの素晴らしさに圧倒されました。

是非この珠玉のオーケストラ・サウンドを、生のコンサートでも再現いたしたく、
この趣旨に賛同してくれた、川上肇氏(関西フィル・トランペット奏者であり編曲家でもある)の協力の下、
各権利者に許諾を申請し、認可を受けたうえで、現在、楽譜の制作を順次行っています。

オリジナル楽譜の持つ魅力を最大限に引き出し、多くの方々の記憶に生きつづけるあの華麗なサウンドを
ダイナミックにコンサートで再現していきたいと考えています。

竹本泰蔵(2009年3月記)


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