本来、この曲をライヴで演奏するのは不可能と考えていました。

あの壮絶な響き、常に「鳴り続ける」オーケストラ。
わずか3分半の曲の中には、おそろしいまでのエネルギーが込められています。

トロンボーンが4本、ハープが2台にピアノ、など編成がとても大きい上、
演奏上も、3本のトランペットが常に高音で和音を形成、
ホルンも激しいメロディーを担当しつつ和声を常に吹きつづけるなど、
ライヴには不利な条件だらけでした。

そこで、編曲の川上氏がトランペットを4本にするという提案!
それによりトランペットの負担を軽減するとともに、
ホルンの和音を補うために、木管楽器の編成にも工夫をこらしました。

オリジナルの素晴らしさを出来る限り生かしつつ、
映画の中でのサウンドを生のオーケストラ演奏で表現するための作業は、
3ヶ月余り続きました。
細かいニュアンスの訂正、生演奏のための強弱記号補正、楽譜の誤りの修正、、、、。



そして完成したサウンドは、本当にスゴイ響きでした。

鳴り響いたそのオーケストラのサウンドは、まさに「オルガン」だったのです!



軍艦を漕ぐシーンや、戦車での戦いが有名ですが、
この「ベン・ハー」という作品は、キリストの奇跡を語った物語りでもあるのです!

映画音楽のスコアを通して、映画の奥深さに益々魅了されているこの頃です。

<備考>
2010年5月、名古屋フィルにて「シェーン?ハイライト」「ニューシネマパラダイス」を初演。
今後は「80日間世界一周」「エデンの東?前奏曲と終曲」「ゴッドファーザーPart2」
「ティファニーで朝食を?ムーンリバー」など制作予定です。