今日は仙台フィルの皆さんと、岩沼市でのコンサートでした。
クラシックの名曲や映画音楽などをお楽しみいただきました。

昨日はリハーサルのため、仙台駅から車で40分くらいの本番会場へ。
仙台駅周辺では、あまり震災の影響を感じなかったのですが、
堤防の役目を果たしたと言われる東部道路に入ってから、
片側(海側)の景色は一変しました。

飛び込んできたのは、田んぼだったであろうところに、
未だに残るがれき。うちあげられた舟。
海辺には、ひときわ目立つ山。
・・・・・がれきの山なんだそうです。

震災後4ヶ月。
一見美しく見えた田んぼの緑は、稲ではなく、雑草でした。


私は神戸生まれで、一応阪神淡路大震災を知っているつもりでしたが、
このあまりの光景には言葉を失いました。
破壊されたのではなく、喪失してしまったのです。

今まで復興支援など、いろいろお手伝いさせて頂きましたが、
実際に現地の様子を目の当たりにし、
まだまだ全然足りない、いや、それどころかまさにこれから
10年、20年単位の、長い長い道程である事を実感しました。

原発や政治の動きに意識が移りつつある昨今ですが、
そもそもの大地震と大津波による甚大な被害は、
4ヶ月たった今でも、まだまだ大きな傷跡を残したままです。

この現実を出来る限り多くの方に伝え、決してこの被害を
風化させてはならないと強く心に感じました。


・・・最後に、
この震災で大変なご苦労をなさった仙台フィルの皆さん!
今日は素敵な演奏をありがとうございました!

こんな時期にもかかわらず、明るく楽しい雰囲気でリハーサル、
そして本番をご一緒させていただけた事に対し、
心から感謝いたします。

どうぞこれからも音楽の素晴らしさを伝え続けてください!


決して忘れることの出来ない、この2日間のご報告でした。


竹本泰蔵(2011年7月16日記)